海田町の宝、瀬野川 〜 瀬野川を200%楽しむ!
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瀬野川たんけん

2014.2.7.Fri.  瀬野川便り






2月7日
昨年の秋の種まきから4ヶ月が過ぎる
ミックスフラワーも発芽して寒さに耐えている
毎日霜が襲うが、根はその分強くなるとか
しっかり根を張る時期がこの極寒期だ。
成長を見た目では 出来ないが根を張り続けている
3月の菜の花、4月のホセカと待ち遠しい!!

 2月から瀬野川の浚渫工事が始まった
今回の場所は、毎年、瀬野川探索会を行っている周辺の堆積した土砂を取り除く工事だ。
年末に広島県、海田役場、施工業者、瀬野川を楽しむ会との話し合いをした。
広島県からは広島県西部土木事務所の担当者、海田役場から建設課の課長さん伏見建設の社長さんとの会議

 今回の浚渫現場は2000年の浚渫工事依頼だ。
石原橋の周辺で土砂が1mほど堆積している
このまま放置していると氾濫原因になる
そこでたまった土砂を取り除く工事をする
浚渫工事とはこのこと

 今までは、とにかく右岸左岸まで水平に真っ平らにする工法が取られてきた。
石も、草も中州もすべて取り除く工法だ。
増水時じゃまになる物が無いようにすべて取り除く工法をしていた。

蛇行せず攪拌もしない、とにかく直線的な流れが良いとされてきた。
しかし、水の浄化や生物多様性環境は100%見込めない工法だ。
また中州を残すことで、普段の流速が早くなり土砂は堆積しなくなる

 真っ平らにすると、右岸左岸の縁に土砂が堆積する
今回の石原橋周辺も15年でやはり1mほど堆積してしまった。

 グランドや広い体育館をイメージしてみてほしい
掃除をしなければどこにほこりがたまるか?
いつものように人が遊び運動している。
すると人が行き交う場所の中央部分は意外と綺麗だが、四隅が汚れてゴミが堆積する
これと同じ現象が浚渫工事跡に起きる。

 河川は随時土砂が流下している。
流速がある場所は何十年経っても変化は少ない
しかし、流速が遅くなる場所ではどんどん土砂がたまる
これこそが氾濫の原因
まー山を削れば土砂は川に流れやがて堆積してしまう。
しかし、流速があれば防ぐことが出来る。


 画像は2014年2月6日の浚渫工事現場だ。
伏見建設が請け負っている現場
担当者の人は一切河川内に土砂や汚れは出していない。
濁りは出さない。
と言うことは精密な工事を取らないといけない。
極寒期の生き物は水辺の草の下に集まる
堆積した土砂は綺麗に取り除かれている。
これこそが私たち瀬野川を楽しむ会が言い続け、求めていた工法

 氾濫原因となる堆積物だけ取り除く工法が成果を出している
一見、真上からみると真っ平らだが、流れは蛇行している
これが流速を増す工法で、生物環境も守れる工法
水辺の草木は残し、生き物の住み家も壊すことは無い。

 工事担当者の人に、「この周辺少しだけスロープがあれば安全に川に入れるのだが?」と提案すると
「中村さん、ここに階段があるよ」と教えてくれた
何十年も通っているが初めて見た階段」
堆積土砂に埋もれていたのだ
この階段も設計の時、安全に下りられるように工夫してあったのだと感心する

 それと毎年メダカが確認できる小さなビオトープは、拡張してもらい
壊れないように、自然石を置いてもらった。

 この小さなビオトープは真夏の日照りでも水が残りたくさんのメダカが繁殖している場所
メダカは流れのある場所では繁殖は難しい。
流れが緩く、田んぼと同じような地質で紫外線がたくさん当たる事で繁殖が行われる
なるべく人工物はしたくないが、このような場所で何年も瀬野川メダカが増え続けている
本来なら、こんな小さな池はすぐに埋め戻し潰してしまうが、打ち合わせで
多くの子供達にも体験できる貴重なたまり場ですと伝えると
広島県の担当者も理解してくれた。

 メダカもホームセンターで買えば1匹30円ほどで購入できる
そして水槽で飼うこともできる
しかし、みんなが生活している地元の川で、普通に見て触れることができる環境はほとんど無い。
私が生まれ育った故郷でもメダカを見たのは40年前のこと!!

 普通、ため池を作っても、干ばつで生き物が死に絶える
しかし、この瀬野川の小さな池は河川の水位と同じようになる工夫がされている
増水の時は草木で守られ、減水の時は干し上がらないように水位が保たれている
少しの工夫で生き物と戯れることができる。
毎年、夏になると家族ずれがメダカをみて「おったヨーと」歓声があがる
多摩川でも多くのこんな場所が守られている
小さな水たまりだが、モロコ、メダカ、エビやカニが生息している
東京ではいち早く自然環境を残そうと創意工夫してきた
鮎も放流では無く天然遡上で復活している。

 瀬野川のシジミなどは、環境変化に鋭く反応する
2000年頃の浚渫工事では、どんどん生物が減少していたが、最近の工法では減少は見かけない。
海田町内だけは生き物が確実に増えている。


 昨年の石原橋補強工事では巨大なコンクリートブロックを施工したが、
悪影響の少ないコンクリート製品と濁りを一切出さない工夫がされて見事にシジミや他の生物を守った
昨年の海田小学校、海田南小学校の探索会では10年ぶりにシジミの味噌汁を食することができたほど増えた。

また、今回取り除く土砂は本来、廃棄処分となる。
表土は草が茂っていて利用不可能な土だが、50cmほど地中は見事な黒土だ。
何年も堆積してエエ腐葉土になっている。

 以前、花の土を入れたいと検討したが、ダンプカー1台分が約8000円から10000円ほど
しかも植栽には適さない(まさ土)
これに花壇用の土と肥料を入れると膨大な費用がかさむ。


しかも現在植栽している場所、200uに入れるとなるとダンプ10台分でも厚さ10cmほど
諦めていた花の土を手に入れるチャンスが訪れた。

 広島県の担当者や役場の担当者の人に花壇の必要性と費用を説明してみた。
すると「建造物はダメだが、土を植栽のために使用するなら許可しますよ」

 今まで植栽場所には人頭大の石がたくさんあった
本来、花壇なんかできる土壌では無い。
しかし毎年少しずつ耕して、綺麗なミックスフラワーが咲いている。
花壇用の土がほしいが、莫大な費用が掛かる。
しかし、今回本来なら破棄する、瀬野川の土を有効利用することができた。
植栽場所に待望のブチエエ土が入る

これなら春蒔き用の植栽も可能になる
しかし、許可が出たのはダンプカー3台分
厚みで言えば数センチほど
しかし、購入すれば3万円は掛かる
できれば全部の土が入れば綺麗な河川敷になるはず。

 2月7日 浚渫現場の付近の埋もれている鉄骨を探しに行く
何年も前から鉄骨が埋まっている
これが時々露出する
凄く危険なのだが、 半端なく埋もれているので掘り出すことができない。
昨年も浚渫工事の時、掘り出そうと試みたが増水で諦めた。
今回も探すが、水位の変動で見つけることができなかった残念!

足下をごそごそして探していると、シジミをたくさん見つけた
水温5度でも砂の下にたくさんのシジミが生きている
今年の夏も、子供達の歓声が響き渡るだろうな!!

    


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画像説明

TOP画像 フォセカ2014年2月27日開花
@ 瀬野川河川敷の植栽現場 2014年3月9日 瀬野川植栽場所少し開花した
A 瀬野川浚渫工事で取り除く、植栽に適した腐葉土が含まれた砂泥を寄付してもらう
  2014年 3月9日 広島県や海田町役場建設課、伏見建設との打ち合わせでできました。
  ちなみにこの植栽に適した土を購入するとダンプカー1台で10000円です。
  今回約3台分を寄付してもらえました。
B 西条バイパス、日の出町交差点フェンス内の植栽場所2014年2月
C リナリア 開花
D ストロベリーキャンドルが元気に育っています
E 2014年2月14日 開花前
FG 瀬野川浚渫工事の案内看板
H 川の流れは一切変えず、堆積した土砂だけ取り除きました
I 広島県西部土木事務所、海田役場建設課、施工業者のご協力でメダカの生息場所を確保
J メダカ池を橋の上から撮影
K 瀬野川植栽現場、ストロベリーキャンドルが茂っています
  今年も4月頃から開花しますよ!!
L 瀬野川 浚渫工事ですが、河川には一切泥水の排泄はありません
M メダカ池完成、これでこれからもメダカの観測がしやすくなるぞ!!
N 浚渫工事と生物多様性環境保護が見事に融合しました。
  これにより生き物の住みかは壊れず、水害の危険も避けることができます。